大科学実験

やってみなくちゃわからない!ホソノ

これまでの大科学実験

これまでの大科学実験
実験01 音の速さを見てみよう
実験02 空飛ぶクジラ
実験03 コップは力持ち
実験04 太陽で料理しよう
実験05 高速で止まるボール!?
実験06 リンゴは動きたくない!?
実験07 人力発電メリーゴーラウンド
実験08 声でコップが割れる?
実験09 大追跡!巨大影の7時間
実験10 象の重さは?
実験11 卵の上に立つラクダ
実験12 高速スピンの謎
実験13 暗闇に光を!
実験14 忍者になろう
実験15 本は力持ち
実験16 時速100kmの振り子
実験17 静電気でお絵かき
実験18 ボールは戻ってくる?
実験19 さわらずに球を動かせ
実験20 かなりしょっぱいウェディング
実験21 救出!てこ大作戦
実験22 みんなここに集まってくる
実験23 水深10000m!?
実験24 手作り電池カー
実験25 氷でたき火
実験26 水のナイフ

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実験05 高速で止まるボール!?

速度は見る場所によって違う相対的なもの。時速100kmで走る車から、後方に時速100kmでボールを打ち出すとボールはどう見えるだろうか。ハイスピードカメラで、ボールが走る車から打ち出される瞬間を激撮する。

速度は見る場所によって違う相対的なもの。時速100kmで走る車から、後方に時速100kmでボールを打ち出すとボールはどう見えるだろうか。ハイスピードカメラで、ボールが走る車から打ち出される瞬間を激撮する。

期間限定配信 ※番組の配信は終了しました。

コラム今回の実験 「高速で止まるボール!?」

 時速100kmの車から投げられたボールが止まる場面を初めて見たとき、思わず「うわぁ」と声をあげてしまいました。マシンから、空中にむけてボールをそっと置いているようにさえ見えます。

 番組の中では使われていませんが、今回のテーマは科学の言葉を使うと「相対速度」。相対って、何だかむずかしい言葉ですが、中味は簡単です。「相手に対して自分は」あるいは「自分から見て相手は」ということ。番組では自転車の実験で説明していました。

 電車に乗っていると、反対方向に走る電車とすれ違うときに、「自分の乗っている電車に比べて、向こうはずいぶん速いな」と感じることがあります。でも、実は逆方向に乗っている人もまったく同じように「向こうは速い」と感じています。自分の乗っている電車のスピードが時速40km、逆方向の電車が時速45kmだとすると、両方のスピードが足し算されて時速85kmに感じます。

 さて、今回の『大科学実験』は時速100kmで左向きに走る車から、正反対の右向きにボールを打ち出しています。ボールが車よりも速い時速110kmで打ち出されると、ボールは時速10kmで右向きに飛んでいきます。逆に車よりも遅い時速90kmでボールが打ち出されると、時速10kmで車と同じ左向きに進みます。車の走る方向とボールを打ち出す方向がお互いに逆向きだから、引き算になっています。

 あれ? すれ違って走る電車では足し算をしたのに、ここではなぜ引き算なのでしょう? これは、自分がどこにいるか(どの速さで移動しているか)によります。思い出してください。電車の例では、自分が時速40kmの電車に乗っている場合を考えていました。移動する電車に乗っているのですが、自分は立って“止まって”いるように見えています。その自分から見ると、反対方向にすれ違う電車は、自分の電車の速度とすれ違う電車の速度を足したスピードに見えるのです。

 『大科学実験』では、自分(カメラ)は地面に立って車とボールを見ています。ボールを打ち出した速度が時速100kmのとき、地面に固定されているカメラからは、ボールはそっと空中に置いたかのように見えました。車の速度とボールの速度の差がちょうど0になったのです。

 車には、ボールを打ち出すピンクの実験レンジャーが乗っていましたが、あの実験レンジャーからはボールはどのように見えたでしょう? 地上でカメラの周りにいた実験レンジャーは、ボールが止まるところを見られたのですが、あのピンクの実験レンジャーだけは車から時速100kmで飛んでいくようにしか見えなかったのです。ちょっと気の毒ですね。

詫摩雅子/日経サイエンス編集部
日経サイエンスブログ (カテゴリーから「大科学実験」をお選び下さい。)

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