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これまでの大科学実験

実験07「人力発電メリーゴーラウンド」

36人の筋骨たくましい人たちが自転車型の人力発電機で、遊園地のメリーゴーラウンドを動かす実験に挑戦する。

コラム今回の実験 「人力発電メリーゴーラウンド」

 自転車をこいで電気を起こす仕組みはわかりましたか?豆電球とモーターをつないで、モーターを指で回すとピカっと豆電球が光りましたよね。モーターを回転させると電気が起こせるのです。

 日本では電池は簡単に買えますし、室内でしたらコンセントにつなぐだけで電気を得られますが、地震など大きな災害があったときはそうもいかなくなります。このため、手回しハンドルのついたラジオや携帯電話用充電器があります。ハンドルをぐるぐる回して電気を作ります。自転車のライトもほとんどは人力発電です。車輪の回転を使って電気を起こしています。

 回転する動きと発電は切っても切れない関係にあります。コンセントに届く電気は遠くの発電所で作られていますが、発電所でも「回転」が登場します。一番わかりやすいのは風力発電でしょう。風の力で風車(タービン)を回し、この回転する動きを発電機(いわば大きなモーター)に伝えて、電気を起こしているのです。

 水力発電はダムから落ちる水など、水の流れを利用してタービンを回します。火力発電は石油や天然ガスなどを燃やして水からお湯をわかし、その時に出る蒸気(じょうき)の力でタービンを回転させます(蒸気機関車と同じ原理です)。原子力発電も熱の作り方が違うだけで蒸気でタービンを回すことには変わりありません。そのほかにも地熱発電や潮汐発電(ちょうせきはつでん:潮の満ち引きを利用)、波力発電などがありますが、どれもタービンを回します。おもな発電方式のなかでタービンが登場しないのは、太陽光発電くらいでしょう。

 さて、メリーゴーラウンドを回すには、2200W(ワット)の電力が必要でした。これがどれくらいの電力か、ピンときましたか?

 家庭用の電子レンジは機種(きしゅ)によって違いますが、だいたい500~1000Wくらいの電力が必要です。髪(かみ)を乾かすドライヤーも1000Wは珍しくありません。電子レンジとドライヤーをいっしょに使うと、あの大きなメリーゴーラウンドを回すのに必要な電力とそれほど変わりがないことになります。ふだんみなさんが気軽に使っている電気を作るのでも、あれだけの人と力が必要です。びっくりですね!

詫摩雅子/元 日経サイエンス編集部
日経サイエンスブログ

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